先日行ったエジプトについて記事を書きたいと思います!
エジプト観光では「カイロパス」・「ルクソールパス」という便利な観光パスがあります。
私も訪問した際に利用を考えていたのですが、最新の情報があまり見つけられなかったので簡単にまとめてみました💪
パス購入でお得に観光できるかも!(2023年6月追記)
2023年6月6日現在、観光パスのカイロパス・ルクソールパスを買うとチケットを個別に買うよりもお得に観光できる場合があります!
記事を執筆した当初(2023年4月時点)はこの観光パスはお得感の薄いものでした。
しかし、2023年6月から各観光地のチケット料金・入場料が大幅に改定(値上げ)された結果パスが利用しやすくなりました。
特にカイロとルクソール両方に行く場合はパスを利用したほうがお得になるケースが多いです。
具体的には、入場料が高額な王家の谷の「セティ1世の墓」や王妃の谷の「ネフェルタリの墓」に行く方は基本的にはパス利用がお得になります。
その二つに行かずとも、観光地をたくさん網羅したい方や単価の高い観光地を複数回訪ねたい方はパスを買うとお得になることがあります。
主要な観光スポットの最新の入場料は以下の記事でまとめています。

上記の記事の料金表にはなるべく最新の情報を掲載するようにしていますが、以下のエジプト観光・考古学省のサイトでも直接ご確認していただくと万全です。

本記事の以下の部分は各観光地のチケット料金が改定される前の古い情報になります!
特に真下の項目の結論部分は上記とほとんど真逆になっていて参考になりません。
上記の通り現在はパス利用がお得になるケースが多いです。
パスの基本情報や料金については下記から変わっていませんが、個別のチケット料金に関しては下記の試算より大きく上がっておりますのでご注意を。
値上がり後の最新のチケット料金については上記の記事に載せておりますので、そちらをご参照しながらパスとチケット料金の比較をしていただけますと幸いです。
結論:パスは基本的には買わないほうが良い!(2023年4月現在)
カイロパス・ルクソールパスは多くの観光施設で使える便利なパスです。
以前はコストパフォーマンスにも優れ、カイロとルクソールの両都市に行く場合には必携とも言えるようなものでした。
しかしながら、現在は主要観光スポットを一回ずつ周るだけではチケットを個別に買うよりもパスの値段のほうが割高になってしまいます(2023年4月現在)。
単価の高い観光スポットに複数回行く方や主要スポット以外にも行く方、また学生の方のみパスを買ったほうがお得で、基本的には買わないほうが良い価格設定になっています。
昨今のエジプトの経済情勢もあり個々のチケット料金は頻繁に改定されているため、パスの購入を検討する際はチケット料金を確認して比較するようにしましょう。
・観光の最新情報はこちらから→エジプト観光・考古学省
カイロパス・ルクソールパスとは
パスの概要
カイロパス・ルクソールパスはエジプトの主要な遺跡や博物館を自由に見学できるフリーパスです。
5日間有効で対象施設では期間中何回でも使うことができます。
エジプトでは、古代エジプト王朝からローマ帝国、中世イスラーム王朝と高名な国が栄えてきており、長きに渡ってその要衝となってきました。
そのため遺跡や博物館が多く、見るべきものもたくさんあります。中には高額な観光スポットもあるため費用もかさんできます。
それを一枚で見放題にしてくれる魔法の道具がカイロパス・ルクソールパスなのです!

カイロパス
カイロパスは、カイロやギザ、メンフィス、ダハシュール、サッカラの遺跡や博物館で使うことができます。
カイロの考古学博物館やシタデル、ギザの三大ピラミッド(内部見学込み)はもちろん、サッカラの世界最古のピラミッドやメンフィスの博物館など、カイロ周辺の観光施設をほとんど網羅しています。
料金は$100(学生$50)です。
パス料金(USドル) | 一般 | 学生 |
---|---|---|
カイロパス | 100 | 50 |
ルクソールパス(スタンダード) | 100 | 50 |
ルクソールパス(プレミアム) | 200 | 100 |
ルクソールパス
ルクソールパスは、ルクソールの西岸・東岸のすべての遺跡や博物館で使うことができます。
カルナック神殿やルクソール神殿などの東岸の遺跡や、王家の谷・王妃の谷をはじめとした西岸に点在する遺跡への入場が可能です。
ルクソールパスにはスタンダードとプレミアムの二種類あります。
プレミアムは、入場料が高額なセティ1世の墓(@王家の谷)やネフェルタリの墓(@王妃の谷)でも使うことができ、料金は$200(学生$100)です。
スタンダードは、その二つの墓以外の施設をカバーしていて料金は$100(学生$50)です。

カイロパス・ルクソールパスは、いずれかを所持している場合にはもう一つのパスの購入時に50%の割引を受けることができます。後から買ったパスが半額になる感じですね。
カイロパスを先に購入して観光した後にルクソールに行った場合は、定価$200のプレミアムのルクソールパスを$100で買うことができます。
購入方法
購入場所は、カイロパスは考古学博物館やギザのピラミッド、ルクソールパスはカルナック神殿や王家の谷になります。
チケットオフィスで尋ねると場所を案内してくれます。
つい最近までは、カイロのザマレクにあるエジプト観光・考古学省のオフィスで両パスをまとめて購入できたそうですが、現在では購入できなくなっています。
なお、パスの購入にはパスポートサイズの写真とパスポートのコピーが2枚必要です。
パスとチケットの料金比較
カイロパス$100、ルクソールパス(プレミアム)$200に対して、パスの対象となる主要観光スポットのチケットの料金がそれぞれいくらなのか見ていきたいと思います。
※ルクソールパスのスタンダードはプレミアムよりお得感が低いので割愛させていただきます。
カイロ近郊 | 料金(EGP) |
---|---|
ギザピラミッドエリア | 240 |
-クフ王ピラミッド内部 | 440 |
-カフラー王ピラミッド内部 | 100 |
エジプト考古学博物館 | 200 |
シタデル | 200 |
コプト博物館 | 100 |
イスラム美術館 | 120 |
サッカラピラミッドエリア | 200 |
-ジェセル王ピラミッド内部 | 100 |
メンフィス博物館 | 180 |
合計 | 1,880 |
ルクソール | 料金(EGP) |
---|---|
カルナック神殿 | 220 |
ルクソール神殿 | 180 |
王家の谷 | 260 |
-セティ1世の墓 | 1,000 |
-ツタンカーメンの墓 | 300 |
-ラムセス6世の墓 | 100 |
王妃の谷 | 100 |
-ネフェルタリの墓 | 1,400 |
ハトシェプスト女王葬祭殿 | 160 |
ラムセウム | 80 |
ルクソール博物館 | 140 |
合計 | 3,940 |
パスの対象となる主要観光地のチケット料金の合計は、カイロパス分が1,880EGP(エジプトポンド)、プレミアムのルクソールパス分は3,940EGPとなっています。
学生はこの半額になるケースがほとんどですが、セティ1世の墓やネフェルタリの墓は割引が効きません。
これを元に、記事執筆時点(2023年4月23日)の為替レートの1EGP=4.39円、1ドル=134.17円でチケットとパスの値段を日本円で計算すると以下のようになります。
チケット料金(A) | パス料金(B) | 差額(A-B) | |
---|---|---|---|
カイロ | 8,253 | 13,417 | -5,164 |
ルクソール | 17,297 | 13,417 | 3,880 |
合計 | 25,550 | 26,834 | -1,284 |
カイロパスとルクソールパス(プレミアム)はそれぞれ$100の合計$200で試算しています。
パスはどちらか片方を持っているともう片方の購入時に半額の割引が効きます。
ですので、本来200$のルクソールパス(プレミアム)を割引の100$で購入する想定にしています。
このとおり大きな差はないのですが、パスを購入した場合は主要観光地に一回ずつ訪れるだけでは個別にチケットを買うよりも1,300円ほど損をする計算です。
ただし、学生の方ですとチケットは最も料金の高いセティ1世(1,000EGP)やネフェルタリの墓(1,400EGP)で学割がない分、カイロパス・ルクソールパスを買ったほうがお得になります。
また、滞在日数が長く主要対象施設に複数回訪れる場合や上記以外の対象施設にも行く場合には料金的に元が取りやすくなります。
ハイシーズンであればチケットの購入には時間がかかりその都度買うのは面倒になることも考えられますので、快適に過ごすために多少損してでもパスを買っておくという選択肢もあるかもしれません。
パスはどうして高いの?
背景には、エジプトポンドの下落があります。
エジプトポンドは昨年の10月中旬に1EGP7.6円ほどだったのが、現在(2023年4月23日)では4.39円となっており4割強下落しています。
足元のインフレや通貨の切り下げの影響で、エジプトポンドは円だけでなく主要通貨全般に対して非常に弱く推移しています。

こうした環境のなか、エジプトポンドで販売されている各観光地のチケットは、通貨の下落幅と比較してチケット料金の値上げが緩やかなため、円やドル換算の実質的な料金は下がっている状態にあります。
いずれのチケットもEGPベースでおおよそ10~20%程度の値上げに収まっており、なかには料金が改定されていないものあります。
たとえば、ネフェルタリの墓は通貨下落以前から1,400EGPでしたので、円換算の料金は従来は10,640円だったものが現在は6,146円となっており4割ほど安くなっています。
一方でUSドル・ユーロで販売されているカイロパス・ルクソールパスに関しては料金が改定されず据え置きになっています。
エジプトポンドはドルに対しても4割ほど下がっているので、個別のチケットの値段がほとんど変わらないのであればUSドルベースのパスの値段は下がるのが自然です。
しかしながら、現在はそうなっていないといった感じです。
以上のとおり昨今のエジプトの経済動乱のなか、個別のチケットが実質的に値下げになっている一方でパスの価格は据え置かれているため、パスはチケットと比べると相対的に割高になっているわけなのです。
まとめ
現在、パスは基本的には個別にチケットを買うよりも損になります。為替レートや訪問予定の観光スポット数、混雑状況などを踏まえて検討して、お得にエジプト旅行を楽しみましょう!
また、個別のチケットやカイロパス・ルクソールパスの料金は今後改定されることもあるかと思いますので、最新の料金を確認しましょう。
・補足
現在、エジプトの観光スポットではほとんどの場所でクレジットカードが使えます。少し前までは使えないところが多かったそうです。
私が行った際は、王妃の谷のみカードが利用できませんでした。エジプトポンドの手持ちが少なかったのであせりましたが、ドルで支払えました(1,500EGP=50USD)。
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